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【京都の社労士コラム】新入社員がすぐ辞める会社・定着する会社の違い ―受け入れ“後”に差がつくポイントとは―

2026年03月27日

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  A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。
 このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。

 4月に入り、新入社員の受け入れが一段落した頃かと思います。

 労働条件通知書や社会保険手続きなど、入社時の事務対応は問題なく進められた企業様も多いのではないでしょうか。
 一方で最近は、「入社後すぐ辞めてしまった」「思ったより早く離職してしまった」といったご相談が増えています。

 実は、こうした早期離職の多くは“入社前”ではなく、“入社後の初期対応”に原因があります。
 今回は、受け入れ時の基本事項を振り返りつつ、これから差がつく定着のポイントを整理します。


①まずは確認:受け入れ時の基本事項
 
 ■労働条件通知書
 ・賃金(固定残業代の有無・内訳を含む)の説明は十分にできているか
 ・労働時間や休日の取り扱いに認識のズレはないか
 ・試用期間中の条件差について明確に伝わっているか
 
 ➡「そんな話は聞いていない」という状態になると、信頼関係は一気に崩れます。
  書面の交付だけでなく、”説明の質”が問われる部分です。

 ■社会保険手続き
 ・資格取得手続きは適切に完了しているか
 ・扶養等の手続き漏れはないか

 ➡手続きの遅れは会社側にとっては些細でも、本人にとっては不安材料になります。
  「きちんとした会社かどうか」の判断材料にもなり得ます。

 ■試用期間の扱い
 ・評価の視点や基準を社内で共有できているか
 ・「とりあえず様子を見る」状態になっていないか

 ➡試用期間は単なる形式ではなく、“見極めと育成の期間”です。
  ここが曖昧だと、本採用後のミスマッチやトラブルにつながります。


②ここからが本番:「辞めない会社」がやっていること

 実務的な手続きが整っていても、それだけで定着するわけではありません。
 むしろ差がつくのは、入社後の関わり方です。
 
 ✔ 最初の1~2週間を”設定”している
 
 定着している会社は、初期の過ごし方を明確にしています。
 ・誰が指導担当になるのか
 ・どの業務から覚えてもらうのか
 ・1日の流れをどうするのか

 こうした点が決まっているため「何をしていいかわからない時間」が発生しません。
 逆に放置される時間が長いと、それだけで不安や不信感が生まれます。

 ✔ こまめに状況を確認している
 
 ・1週間後、2週間後といった節目での声掛け
 ・困っていることや不安のヒアリング

 「問題があれば言ってくるだろう」では遅いケースがほとんどです。
 特に入社直後は、自分から言い出せない方も多いため、会社側からの働きかけが重要です。

 ✔ 期待値のズレを調整している

 ・仕事内容や職場環境に対するギャップの確認
 ・「思っていたのと違う」という感覚の言語化

 このズレを放置すると、「合わない会社」という結論に直結します。
 小さい違和感のうちに対話することが、離職防止につながります。


③コストをかけずにできる定着施策

 大がかりな制度を導入しなくても、実務レベルでできることは多くあります。
 例えば、以下のような取り組みです。
 
  • 初日~1週間の簡単なスケジュールを事前に作成する
  • 1日5分でもよいので”意図的な声掛け”の時間を設ける
  • 入社後1週間、1カ月で短時間の面談を実施する
  • できている点を具体的にフィードバックする

 いずれも特別なコストはかかりませんが、
 「自分はきちんと見てもらえている」という安心感につながります。


④さらに一歩進んだ定着支援:中長期で辞めない仕組みづくり

 ここまでご紹介した内容は、主に入社初期の定着対策です。
 一方で、「数か月〜1年で辞めてしまう」といったケースを防ぐには、もう一段踏み込んだ仕組みづくりが重要になります。

 ■キャリアパスの明確化
 
 ・この会社で働き続けた場合、どのような成長や役割が期待できるのか
 ・数年後にどのようなポジションや業務に関われるのか
 こうした将来像が見えない状態では、「この会社で働き続ける理由」を持ちにくくなります。

 必ずしも立派な制度である必要はなく、 「まずはこの業務を一人でできるようになる」「次は後輩指導を任せる」といった、
 段階的な成長イメージを示すだけでも効果があります。

 
 ■スキルアップの機会と評価制度

 ・日々の業務の中で、どのようなスキルが身につくのか
 ・その成長をどのように評価し、処遇に反映するのか

 この2点が連動していないと、「頑張っても報われない」という不満につながります。

 例えば、
 ・できる業務範囲が広がったら評価する
 ・一定のスキル習得を昇給や手当の基準にする

 といったシンプルな仕組みでも、納得感は大きく変わります。

 ポイント!】
 人が辞める理由は「不満」だけでなく、「将来が見えないこと」による不安であるケースも少なくありません。
 初期対応に加えて、こうした中長期の視点を取り入れることで、定着率はより安定していきます。


関連動画(2分21秒)是非ご覧ください
<画像をクリックすると動画を視聴できます>※倍速視聴も可能です。



まとめ

 新入社員対応は、「受け入れの手続きが完了すれば終わり」というものではなく、
 “どのように立ち上がり、どのように成長していくか”までを見据えて設計することが重要です。

 特に、最初の1か月の関わり方によって、その後の定着状況は大きく左右されます。
 さらに、キャリアパスや評価の考え方といった中長期の視点が欠けていると、一定期間経過後の離職につながる可能性も高くなります。

 裏を返せば、特別なコストをかけなくても、
 ・初期のフォロー体制を整えること
 ・成長の道筋をある程度示すこと
 この2点を意識するだけで、定着率は着実に改善していきます。

 新入社員の早期離職や定着に関するご相談も増えています。
 制度面だけでなく、現場での関わり方や運用を含めた見直しが必要なケースも多く見受けられます。

 「自社の場合はどうすればよいか」といった点も含めて、ご興味があればお気軽にご相談ください。
 


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