無期転換は、「有期契約から期限を定めない無期契約に換える」ことを指し、労働時間、給与などの労働条件はそのままで、
雇用期間のみを期間限定(有期)から定年まで(無期)へと変更することができる制度です。
ただし、無期転換後の賃金等の労働条件を決定するにあたっては、正社員やフルタイムの無期雇用労働者などとのバランスを考慮し、「
同一労働同一賃金」を徹底しなければなりません。
そのため、無期転換後の労働条件が有期雇用契約時とどのように変更するのか、前項の「無期転換申込機会の明示」とともに、
無期転換後の労働条件の明示も
義務づけられることになりました。
なお、この無期転換後の労働条件の明示は、
「無期転換申込権」が発生する有期雇用契約の更新ごとに行う必要があります。
対象となる労働者
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無期転換申込権が発生する有期契約労働者が対象となります。 |
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注意すべきポイント
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▶ 無期転換後の労働条件の明示事項 「無期転換申込権」が発生する契約更新のタイミングごとに、無期転換後の労働条件を書面により明示することが必要になります。 明示する労働条件は、労働契約締結の際の明示事項と同じものです。
2024年(令和6年)4月以降は、無期転換後の労働条件について、 ①無期転換申込権が生じる契約更新時と、②無期転換申込権の行使による無期労働契約の成立時のそれぞれで明示する必要があります。
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職務の内容などが変更されていない場合、
無期転換後の労働条件を従前よりも低下させることは、無期転換を円滑に進める観点から望ましいものではありません。
別段の定めを設ける際は、
無期転換によって業務内容や責任等が変わる場合、社内の他の労働者の業務内容や責任等を考慮し、
他の労働者との待遇の均衡が図られた労働条件にすることを検討していきましょう。
まとめ
労働条件通知書は労働者の在職・退職にかかわらず、
5年間は保管しなければいけません。
そもそも保管していなかったり、5年以内に処分したりすると、
労働基準法第120条によって30万円以下の罰金に科される可能性があります。
以下の方法をとると、適切な保管に役立ちます。
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①電子化する ②書面で保管する場合は適切に分類する ③保管義務期間が過ぎたものは処分する |
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労働者が希望している場合、
労働条件通知書は電子化での交付が可能なので、電子化によってペーパーレス化が実現し保管するスペースと
コストを削減できます。
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