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【京都の社労士コラム】【改正法対応】2025年10月1日から変わる!育児・介護休業の実務ポイント

2025年09月03日

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 A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。
このコラムでは、人事・労務に関する最新の法改正情報や助成金・補助金など、事業主に役立つ情報をお届けしてまいります。

 今年、令和7年の児・介護休業法の改正が今年の4月1日から行われており、段階的な施行として10月1日からも改正が行われます。
今回は 令和7年10月1日施行の柔軟な働き方・意向聴取制度についてご案内いたします。

本改正は、子育て中の労働者が安心して働ける環境を整備することを目的としており、柔軟な働き方を選択できる制度の周知や、個別の意向聴取・配慮が義務化されます。
事業主として必要な準備や対応策を理解しておくことが、職場全体の両立支援に直結します。


柔軟な働き方を実現するための措置


令和7年10月1日から、事業主は3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対し、以下の措置の中から2つ以上を選択して講じる必要があります。労働者は、講じられた措置の中から1つを選択して利用できます。

No. 措置 内容
始業時刻等の変更 勤務開始・終了時間の変更やフレックスタイム制度の活用など、労働時間の柔軟な調整
テレワーク等 在宅勤務やサテライトオフィス勤務を月10日以上可能とする
保育施設の設置・運営等 事業所内保育所の設置や外部保育施設利用支援
就業しつつ子を養育するための休暇 養育両立支援休暇として年間10日以上取得可能、原則として時間単位で取得可
短時間勤務制度 1日の所定労働時間を短縮して勤務可能とする制度

参照:厚生労働省「柔軟な働き方を実現するための措置等」


個別の周知・意向確認


3歳未満の子を養育する労働者に対して、事業主は柔軟な働き方を実現する措置に関する以下の事項を個別に周知し、利用意向を確認する必要があります。

周知時期:1歳11か月~2歳11か月までの間
周知事項:
① 対象措置の内容
② 申出先(例:人事部)
③ 所定外労働・時間外労働・深夜業の制限制度
方法:面談(オンライン可)、書面交付、FAX、電子メール(労働者希望時のみ)

参照:厚生労働省「個別周知・意向確認」


仕事と育児の両立に関する意向聴取・配慮


事業主は、労働者が本人または配偶者の妊娠・出産を申出た時、または子が3歳になるまでの適切な時期に、勤務時間・勤務地・両立支援制度の利用期間・業務量等について意向を個別に聴取する必要があります。

意向聴取の時期:妊娠・出産申出時および子が1歳11か月~2歳11か月まで
方法:面談(オンライン可)、書面交付、FAX、電子メール(労働者希望時のみ)

配慮の例:
・勤務時間帯や勤務地の調整
・両立支援制度の利用期間見直し
・業務量や労働条件の調整
・ひとり親家庭や障害のある子の場合、利用可能期間の延長

改正後の仕事と育児の両立イメージ
参照:厚生労働省「仕事と育児の両立に関する意向聴取・配慮」


実務担当者が今やるべき準備


✅就業規則の改訂(新制度を反映)
✅導入する制度の選定(5つのうち2つ以上)
✅労働組合・従業員代表への意見聴取
✅管理職への周知・研修(現場での対応力強化)

制度施行日直前になると、就業規則の変更や社内周知に時間を取られてしまいます。
早めに準備を進めることで、現場の混乱を防ぎ、従業員からの信頼も高めることができます。


動画:【2025年10月施行】改正育児介護休業法を解説!を視聴





まとめ


 令和7年10月1日施行の柔軟な働き方・意向聴取制度は、子育て中の労働者が安心して働ける環境づくりを目的としています。事業主は、制度対象者への周知と意向聴取を適切に行い、選択された措置を柔軟に運用することが求められます。早めに社内規程や就業規則の整備を行い、準備を進めましょう。


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