ブログ

【京都の社労士コラム】2026年10月からルールが変わります!~パートタイム・有期雇用の改正ポイント~

2026年08月27日

ブログ一覧戻る





 A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。

 このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。
 今回は、令和8年10月から改正となる「パートタイム・有期雇用労働者の待遇に関するルール」についてご案内いたします。

 今回の改正では、正社員とパートタイム・有期雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消を目指す「同一労働同一賃金」をさらに一歩進めるため、労働条件の明示事項の追加や「同一労働同一賃金ガイドライン」の見直し、企業に求められる雇用管理上の措置の追加などが行われます。


「同一労働同一賃金」とは?

 「同一労働同一賃金」とは、同じ会社で働く正社員と、パートタイム・有期雇用労働者との間にある不合理な待遇差の解消を目指すものです。働き方が多様化する現代において、誰もが自分に合った働き方を納得して選択し、能力を発揮できる社会を実現するための重要な取組です。

※厚生労働省のホームページにて「同一労働同一賃金特集ページ」が開設されています。
 ➡厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

改正の背景

 同一労働同一賃金は、「働き方改革関連法」の一環として2020年4月から順次施行されました。これにより待遇改善は進んできましたが、依然として課題も残されています。今回の改正は、公正な待遇の確保に向けた取組をさらに進めるためのものです。

改正のポイント


雇い入れ時の労働条件明示事項が追加

パートタイム・有期雇用労働者を雇い入れたとき(※1)は、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」「相談窓口」の4つの事項を書面の交付等により明示することが義務付けられています。今回の改正により、新たに「待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる」旨を明示することが必要となります。パートタイム・有期雇用労働者に対して正社員との待遇の違いについて会社に説明を求めることができる旨を明示し、疑問が生じた際に相談を促すことを目的としています。
(※1:労働契約の更新時も含みます。)

厚生労働省のモデル労働条件通知書では、次のような追記例が示されています。
・次の窓口に対して通常の労働者との間の待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる。
 部署名○○○○ 担当者職氏名○○○○ (連絡先○○○○)

(参照)厚生労働省「モデル労働条件通知書」


「同一労働同一賃金ガイドライン」の改正

このガイドラインでは、どのような待遇差が不合理と認められるのか等を具体例とともに示しています。今回の改正では、裁判例などを踏まえ、賞与、退職手当、各種手当、福利厚生についての記載が見直され、その考え方がより明確化されました。
例えば家族手当については、相応に継続的な勤務が見込まれるパートタイム・有期雇用労働者に対し、正社員と同一の手当を支給しなければならないとされました。また、住宅手当については、正社員と同一の転居を伴う配置の変更があるパートタイム・有期雇用労働者に対し、正社員と同一の手当を支給しなければならないとされました。さらに、夏季冬季休暇については、パートタイム・有期雇用労働者に対し、正社員と同一の夏季冬季休暇を付与しなければならないとされました。

≪改正部分の一部抜粋≫
【家族手当】…労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれるパートタイム・有期雇用労働者には。正社員と同一の家族手当を支給しなければなりません。
【住宅手当】…住宅手当が「転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるもの」である場合、正社員と同一の転居を伴う配置の変更があるパートタイム・有期雇用労働者には、正社員と同一の住宅手当を支給しなければなりません。
【福利厚生施設】…福利厚生施設の料金・割引率等の利用条件について、不合理と認められる待遇差を設けてはなりません。
【病気休職・休暇】…正社員に病気休職期間に係る給与の保障を行う場合には、労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれるパートタイム・有期雇用労働者にも、正社員と同一の給与の保障を行わなければなりません。

(参照)厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン等の改正内容について


企業に求められる雇用管理上の措置の内容が変更に

企業に求められる雇用管理上の措置も見直されます。パートタイム・有期雇用労働者に対し、正社員との待遇の相違等について説明する際には、「資料を活用し、口頭により説明する方法」または「説明すべき事項を全て記載した分かりやすい内容の資料を交付する等の方法」のいずれかにより説明することが必要になります。

また、賃金を決定する際には、職務の内容や成果、意欲、能力、経験をはじめとする要素を公正に評価し、昇給に反映するなど、公正な評価に基づいて決定することが求められます。

さらに、正社員等への転換制度の内容や転換実績などをパートタイム・有期雇用労働者に明示するよう努めることや、それらをウェブサイトで定期的に公表することが望ましいとされています。

(参照)厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働者に対するルールが変わります」

まとめ 

 2026年10月から施行される今回の改正は、どのような雇用形態および就業形態を選択しても、労働者が納得できる待遇を受けられるようにし、多様な働き方を安心して選択できる職場づくりを進めるためのものです。企業と働き手の双方が制度の内容を正しく理解し、雇用管理の改善に取り組むことが、公正な待遇の確保につながります。
 今回の改正に関して必要なことは、「雇用契約書や労働条件通知書の書式の見直し」、「従業員から待遇差についての説明を求められた際の窓口を決めておく」、「待遇差の理由の整理」などが挙げられます。改正への適切な対応や労働者への正確な説明を行うことで、労使間の信頼が高まり、職場への定着に繋がります。ルールの改正にあわせてしっかりと準備を行いましょう。
 

手続きサポートはA社会保険労務士法人まで!!

法令に対応した労務相談や就業規則の作成・改定、労使協定の締結、各種助成金の申請支援なども行っています。 
助成金の活用や退職金相談、労働保険・社会保険関係の手続きなど人事労務に関することはA(エース)社会保険労務士法人にお任せ下さい!
さらに、福利厚生となる企業型確定拠出年金の導入、勤怠・労務管理のDX化、Web給与明細や社会保険・労働保険手続き、給与計算など、様々なサービスを提供しています。お気軽にご相談ください。


ご相談はお問い合わせフォームから









A社会保険労務士法人 2026