A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。
このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。
今回のテーマは「学生アルバイトをめぐるトラブル」についてお送りいたします。 学生・高校生等(高等専門学校、短期大学、専修学校、各種学校の学生を含む。以下同じ。)のアルバイトをめぐるトラブルが社会的に大きな問題となっています。 特に4月からは多くの新入学生がアルバイトを始める時期です。これからアルバイトを雇われる会社さん、すでにアルバイトを雇っている会社さんも、この機会にぜひ自社の雇用にトラブルリスクがないか確認してみてください。
CASE1 <時給や労働条件が明確でないケース>
アルバイトを始めることになりましたが、時給や勤務時間(働く時間)などの働く条件について「募集広告に書いてあるとおりだよ」としか言われないのですが?! |
「最初に聞いた話と実際の時給や働く時間などが違う」と困らないように、書面で通知し保存しておきましょう。法律上も、①アルバイトをする期間、②仕事の内容や働く場所、③働く時間や休日、④時給など重要なことは、雇う側が働く人に、働く条件を示した書面を渡すこととなっています。
CASE2 <開店準備・後片付けなどの給与支払いが無いケース>
決められた時間の前後に、オーナーや店長の指示で、開店準備や後片付け、次の勤務の準備をさせられているのですが、その分の時給がもらえません! |
法律上、雇っている人(オーナーなど)や上司(店長など)の指示などに従って行う仕事については、その分の時給がちゃんと支払われなければなりません。ちなみに、「毎回15分未満は切り捨て」というようなことは原則法律違反です!
CASE3 <残業代が未払いのケース>
店長に「アルバイトに残業代なんか出ない」って言われたのですが、本当ですか? |
アルバイトでも、法律で決まっている時間を超えて就業する場合は割増賃金(残業代)を支払う必要があります。また、予め決まったシフト以上に勤務する場合は、その労働時間に対して賃金を支払う必要があります。 <原則の残業代の考え方>  ( 愛媛労働局HP) CASE4 <休憩時間が取れていないケース>
1回に6~8時間働くアルバイトをしていますが、休憩が15分くらいしか取れない日が多いのですが?! |
法律で、アルバイトに対しても、働く時間が①6時間を超え8時間以下の場合には少なくとも45分、②8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩を、与えなければならないことになっています!
CASE5 <有給休暇の取得が認められないケース>
先輩から「うちの店はアルバイトに有休はない」って聞きましたが本当ですか? |
アルバイトやパートは有給休暇を取得できないと思っている人が多いかもしれませんが、一定の条件を満たせばアルバイトやパートでも有給休暇は取得できます。  ( 厚生労働省リーフレット) <最低賃金を下回らないか注意しましょう>
「最低賃金」は、働く人すべての人に賃金の最低額(最低賃金額)を補償する制度のことです。年齢やパート・学生アルバイトなどの働き方の違いにかかわらず、すべての労働者に適用されます。 |
<年齢を確認しましょう>
学生アルバイトを雇う際には年齢を必ず確認しましょう。 法律では、原則として満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの児童(以下「児童」という。)を労働者として使用することを禁止しています。 また、満18歳未満の年少者についても、同様の観点から、その就業に様々な制限を設けて保護を図っています。 特に、深夜業の制限があることから、24時間営業のコンビニエンスストア等は注意が必要です。 |
<労働条件は書面で通知しましょう>
法律によって、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と規定されています。パート・アルバイト等も含まれます。
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〇明示が必要な労働条件〇
(1)労働契約の期間に関する事項 (2)期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項 (3)就業の場所及び従業すべき業務に関する事項 (4)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項 (5)賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項 (6)退職に関する事項(解雇の事由を含む。) (7)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項 (8)臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及びこれらに準ずる賃金並びに最低賃金額に関する事項 (9)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項 (10)安全及び衛生に関する事項 (11)職業訓練に関する事項 (12)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項 (13)表彰及び制裁に関する事項 (14)休職に関する事項 |
(※1)(2)については期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合がある者の締結に限り、明示する必要があります。また、(7)から(14)については使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、明示する必要はありません。 (※2)労働者が希望した場合は、FAXやWebメールサービス等の方法で明示することもできます。ただし、書面として出力できるものに限られます。
労働条件明示のルールは2024年4月から変更となります。 詳しくは厚生労働省ホームページでご確認ください。 |
<適切な労働時間の管理を行いましょう>
〇労働時間ではないと謝りがちな事例〇 ① 使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間 ② 使用者の指示があった場合には即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機等している時間(いわゆる「手待時間」) ③ 参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間 |
<有給休暇の付与を確認しましょう>
業種、業態にかかわらず、また、正社員、パートタイム労働者などの区分なく、一定の要件を満たした全ての労働者に対して、年次有給休暇を与えなければなりません。 |
<違法な取り扱いがないか確認しましょう>
〇売れ残り商品などの強制購入 〇退職の申出があってもアルバイトを辞めさせない
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新年度が始まり、アルバイトの入れ替わりがある企業も多いかと思います。 改めて、貴社の雇い方、シフトの作り方、その他のルールを見直していただき、会社も従業員も心地よく働ける会社作りを目指していただけたらと思います。
A社会保険労務士法人では、法改正に対応した労務相談や就業規則の作成・改定、労使協定の締結、各種助成金の申請支援などを行っています。 また、勤怠・労務管理のDX化、Web給与明細や社会保険・労働保険手続き、給与計算など様々なサービスを提供していますのでお気軽にご相談ください。
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