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【京都の社労士コラム】高齢者の働き方にも影響!~在職老齢年金制度の見直しについて~

2026年01月13日

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A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。
このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。
2026年もどうぞ宜しくお願いいたします。

今回のメールマガジンは、「在職老齢年金制度の見直し」についてです。

在職老齢年金制度は、年金を受給しながら働く高齢者について年金の支給を調整する仕組みです。
2026年4月から、在職老齢年金の支給停止基準額が現行の「月額51万」から「月額62万円」へと引き上げられることが予定されています。

在職老齢年金制度の概要と制度改正のポイントを解説します。年金を受給されている事業主や役員のみならず、今後の高齢人材の活用にも影響してくる内容ですので、是非ご確認ください。


在職老齢年金制度の概要

在職老齢年金制度は、年金を受給しながら働く高齢者について、一定額以上の報酬のある方は年金制度を支える側に回っていただくという考え方に基づき、年金の支給を調整する仕組みです。
※現在の制度では、賃金と老齢厚生年金の合計が月51万円(2025年度の場合)を超えると、超えた分の半額が支給停止となります。(停止となる額の計算は、年金の月額単位で行います。)
下の表の場合、「50万円」を『51万円』と読み替え、「5万円の超過」は『4万円の超過』となり、「超過分5万円の半額2万5千円が支給停止」は『超過分4万円の半額2万円が支給停止』となります。
※老齢基礎年金は支給停止の対象にはなりません。




参照:厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」

制度見直しの趣旨


平均寿命・健康寿命が延びる中で、働き続けることを希望する高齢者が増えており、また労働人口の減少による人材確保・技能継承等の観点から、高齢者の活躍を求める世の中のニーズも高まっています。
高齢者の活躍を後押しし、より働きやすい仕組みとすることが、今回の見直しの趣旨とされています。





参照:厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」

制度見直しの内容

上記の趣旨から、老齢厚生年金が支給停止となる基準額について、2026年4月より月額51万円から62万円へ引き上げることが予定されています。


 【見直しによる年金額の変化の例】

 賃金(年間賞与の12分の1を含む)が46万円、老齢厚生年金受給額120万円(月額10万円)の場合
  賃金46万円+老齢厚生年金(月額)10万円 =56万円

 (現行制度)支給停止の基準となる金額が51万円のため、56万円-51万円 = 5万円

       超過分の半額が支給停止となるため、5万円÷2 = 2万5千円が支給停止(つまり月額10万円の老齢厚生年金が7万5千円に減額)

 (制度の見直し後)支給停止の基準となる金額が62万円となるため、超過分が発生しない。➡支給停止は発生せず、老齢厚生年金の減額なし。
  ※賃金(年間賞与の12分の1を含む)と老齢厚生年金(月額)の合計が62万円に達するまで在職老齢年金制度による支給停止は発生しません。



参照:厚生労働省「在職老齢年金制度の見直しについて」

企業側の対応

日本の労働人口は少子高齢化で生産年齢人口が減る中、高齢者の労働力確保は不可欠です。
企業は高齢従業員の定年再雇用制度・嘱託規定の確認、賃金や労働時間の見直し、年金支給額と賃金のバランスを考慮した設計を行うことが必要となり、人件費への影響を検討するなど多くの対応が求められます。
年金制度の改正は、企業の人材活用等の経営戦略にも影響を及ぼします。
企業が高年齢の従業員の活躍を支援するという姿勢を示すことは、採用力の強化や従業員の労働条件の向上にも繋がります。


支給停止の基準となる金額が引き上げられることで、これまで年金が減ってしまうことを理由に労働時間を制限していた高年齢の従業員が、労働時間を増やしたりするなど報酬増加につながる選択がしやすくなります。
また、企業側は賃金設計や労働時間の幅を設けることで、経験豊富な人材の活用をより促進することができます。


まとめ

2026年4月からの在職老齢年金制度の見直しに向けて、高年齢の従業員が在籍している企業は「人材活用の再設計を行う機会」と捉え、まずは制度内容を正しく理解し、高年齢に該当する従業員の状況把握から始めましょう。
今後も人手不足の状況が加速していく中、経験豊富なベテランの従業員の力を最大限に生かし、また、若手の従業員に経験や技術を伝えていく期間を確保することは、企業の成長に欠かせません。

個人の年金額がどれぐらいあるか確認する場合は、ねんきん定期便のほか、日本年金機構の「ねんきんネット」でも確認することができます。
また、給与と年金の具体的な試算などについては弊社でもご相談いただくことができます。
気になる点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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