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【京都の社労士コラム】あなたの会社のシフトは大丈夫?「シフト制」労働者の適切な雇用管理

2022年04月28日

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A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。

このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。

本日は「シフト制」労働者の適切な雇用管理についてです。

令和4年1月7日に「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項のとりまとめが厚生労働省より発表されました。

人手不足や労働者のニーズの多様化、季節的な需要の繁閑への対処等を背景として、パートタイム労働者やアルバイトを中心に、労働日や労働時間を一定期間ごとに調整し、特定するような働き方が取り入れられています。

今回は、シフト制を採用する上で押さえておきたいポイントをご紹介します。

シフト制労働契約簡易チェックリストも掲載しておりますので、ぜひご活用ください。

そもそもシフト制とはどのような働き方?
「シフト制」とは
この留意事項(※厚生労働省から)での「シフト制」とは、労働契約の締結時点では労働日や労働時間を確定的に定めず一定期間(1週間、1か月など)ごとに作成される勤務シフトなどで、初めて具体的な労働日や労働時間が確定するような勤務形態を指します。
※ただし、三交替勤務のような、年や月などの一定期間における労働日数や労働時間数は決まっていて、就業規則等に定められた勤務時間のパターンを組み合わせて勤務する形態は除きます。
厚生労働省HP「いわゆるシフト制について」

【シフト制のメリット】
その時々の事情に応じて柔軟に労働日・労働時間を設定できるという点で契約当事者双方にメリットがあり得る

【シフト制のデメリット】
使用者の都合により、労働日がほとんど設定されなかったり、労働者の希望を超える労働日数が設定されたりすることにより、労働紛争が発生することもあります。


従業員をシフト制で雇用するときの注意事項は?

<労働条件の明示>
労働契約の締結時には、労働者に対して以下の労働条件を明示しなければなりません(労基法第15条第1項、労基則第5条)。
以下は固定就労や変則就労、シフト制に関わらず明示する必要があります。



<シフト制労働契約の場合以下のポイントに留意しましょう>

〇始業・終業時刻〇

労働契約の締結時点で、すでに始業と終業の時刻が確定している日については、労働条件通知書などに単に「シフトによる」と記載するだけでは不足であり、労働日ごとの始業・終業時刻を明記するか、原則的な始業・終業時刻を記載した上で、労働契約の締結と同時に定める一定期間分のシフト表等を併せて労働者に交付する必要があります。

〇休日〇
具体的な曜日等が確定していない場合でも、休日の設定にかかる基本的な考え方などを明記する必要があります。


法律に定めのある契約時の明示事項に加えてトラブルを防止する観点から、シフト制労働契約では、シフトの作成・変更・設定などについても労使で話し合って以下のようなルールを定めておくことが考えられます(作成・変更のルールは、就業規則等で一律に定めることも考えられます)。

以下のポイントを踏まえて従業員との間で事前にルール作成をしておくとよいでしょう。


シフトを組む前の事前準備


<事前の基本ルールを作成する>
労働者の希望に応じて以下の内容についてあらかじめ合意することも考えられます。

①一定の期間中に労働日が設定される最大の日数、時間数、時間帯
例:毎週月、水、金曜日から勤務する日をシフトで指定する

②一定の期間中の目安となる労働日数、労働時間数
例:1か月○日程度勤務/1週間あたり平均○時間勤務

※これらに併せて、一定の期間において最低限労働する日数、時間数などを定めることも考えられます。


シフトを組む時のポイントは?

<シフトの作成時に、事前に労働者の意見を聞くこと>
意見を聞いた上で、以下のようなルールを定めてみましょう。

①シフトの通知期限
例:毎月○日

②シフトの通知方法
例:電子メール等で通知

また、シフトが労働基準法に違反しないか都度確認が必要です。
下記チェックリストで労働時間や、休日について確認しましょう。

シフトを変更するときにはどうしたらいいの?

<シフトの変更ルール>
急なシフト変更によるトラブル防止のため、以下の項目について事前にルールを設定してみましょう。


①一旦確定したシフトの労働日、労働時間をシフト期間開始前に変更する場合に、使用者や労働者が申出を行う場合の期限や手続

②シフト期間開始後、確定していた労働日、労働時間をキャンセル、変更する場合の期限や手続


※一旦確定した労働日や労働時間等の変更は、基本的に労働条件の変更に該当し、使用者と労働者双方の合意が必要である点に留意してください。

そのほかの基本事項も忘れずに!

シフト制のパートタイマーやアルバイトであっても、労働基準法の適用があります。
以下の項目について、忘れずに確認しましょう。

<忘れずに確認しましょう>
①労働時間(週の労働時間や36協定の提出)
②休憩時間(6時間を超えたら休憩が設定できているか)
③年次有給休暇(従業員が有給休暇取得の要件を満たしているか)
④休業手当(休業した場合、休業手当の支給があるか)
⑤健康診断(対象者へ定期的に行っているか)
⑥雇用保険、健康保険・厚生年金などの加入(加入漏れがないか)


シフト制労働契約チェックリスト

厚生労働省より、シフト制労働契約のためのチェックリストが発表されてります。
法定事項のみならず、自社のルールを再確認してみましょう。
就業規則上・雇用契約書上のルールのみならず、実際の運用でルール化しているものがあればそちらもチェックしましょう。



シフト制労働契約の留意事項をまとめたリーフレットです。
是非、ご活用ください。

チェックリスト付リーフレット

もし、就業規則が実際のルールと合っていない、雇用契約書に記載していない事柄がある、シフト制のルール作りを相談したいなど
お困りごとがございましたら是非お気軽にご相談ください。

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