A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。
このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。
本日は
育児休業中の社会保険料免除の制度についてです。
令和4年10月1日から育児休業中の保険料免除の要件が改正されます。今回、この社会保険料の免除の仕組みに関するQ&Aが厚生労働省保険局保険課および年金局事業管理課から公開されました。
令和4年4月には改正育児・介護休業法も第一弾が施行され、10月には第二弾として、出生時育児休業(産後パパ育休)の新設や育休の分割取得が始まります。改正育児・介護休業法も踏まえ、実務上で押さえておきたいポイントをご紹介します。
社会保険料の免除の要件【現行制度】
育児休業等を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料が免除されます。 |
つまりは月末時点で育児休業等をしている場合に当月の保険料が(賞与の支給月であれば賞与に係る保険料も)免除されることとなります。
≪現行制度の課題≫
男性の育児休業の取得促進が叫ばれる中、現在の社会保険料の免除の制度については、「月途中に短期間の育児休業を取得した場合に保険料が免除されない」ことや「賞与保険料が免除されることを要因として、賞与月に育休の取得が多いといった偏りが生じている可能性がある」といったことが課題として指摘されていました。
短期間の育休について、月末をまたぐか否かで保険料が免除されるか否かが決まるという不公平が発生…
引用:厚生労働省 全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律について
改正後の要件
(1)育児休業等を開始した日の属する月と終了する日の翌日が属する月とが異なる場合
⇒開始日の属する月から終了日の翌日が属する月の前月までの月の保険料を免除。 |
(2)育児休業等を開始した日の属する月と終了する日の翌日が属する月とが同一であり、かつ、当該月における育児休業等の日数として厚生労働省令で定めるところにより計算した日数が14日以上である場合育児休業等を開始した日の属する月と終了する日の翌日が属する月とが異なる場合
保険料の免除要件を上記2区分とした上で、育児休業等の期間が1月以下である場合は、標準報酬月額に係る保険料に限り免除の対象とする(賞与に係る保険料は徴収)。
改正後も月末1日のみの育児休業等の場合に月次保険料が免除されることは変わりませんが、賞与の保険料免除は育児休業等の期間が1か月超であることが要件とされます。引用:厚生労働省 全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律について
育児休業等中の保険料の免除要件の見直しに関するQ&A
以下「育児休業等中の保険料の免除要件の見直しに関するQ&A」から抜粋です。
問1.改正案の概要如何。
(答)今般の育児休業等中の保険料免除に係る主な改正内容は次の通り。
① 出生時育児休業制度について、育児休業等の取得促進の観点から、保険料免除の対象とする。
② 月途中に短期間の育児休業等を取得した場合に保険料が免除されないことへの対応として、育児休業等開始日の属する月については、その月の末日が育児休業等期間中である場合に加えて、その月中に 14 日以上の育児休業等を取得した場合にも標準報酬月額に係る保険料を免除する。 なお、その際には、同月内に取得した育児休業等及び出生時育児休業による休業等は合算して育児休業等期間の算定に含める。
③賞与保険料が免除されることを要因として、賞与月に育児休業等の取得が多いといった偏りが生じている可能性があることへの対応として、育児休業等が短期間であるほど、賞与保険料の免除を目的として育児休業等取得月を選択する誘因が働きやすいため、連続して1ヶ月超の育児休業等の取得者に限り、賞与保険料の免除対象とする。
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問9.同月内に取得した複数の育児休業等に係る育児休業等日数の合算について、前月以前から取得している育児休業等の日数についても合算の対象となるのか。
(答)14日要件の判定に用いる「育児休業等日数」の合算は、開始日と終了予定日の翌日が同一月に属する育児休業等についてのみ行い、月末を含む育児休業等(開始日と終了予定日の翌日が異なる月に属する育児休業等)の日数は、14日要件の適用において考慮しない。したがって、「前月以前から取得している育児休業等」の日数については合算の対象としない。 |
問20.育児休業等の取得届出上、出生時育児休業と現行の育児休業等は区別されるのか。
(答)育児休業等の取得届出上、出生時育児休業と現行の育児休業等について区別して記載する必要はない。 |
問23.改正案の適用対象となるのは、施行日以降の育児休業等についてか。前月以前から施行日以降も引き続き取得している育児休業等については対象となるのか。(例)次のようなケースについて、育児休業等①・②は連続しており、1つの育児休業等とみなせば1月超となるため、R4.10 の賞与も免除となるか。
育児休業等① R4.9.15~R4.10.10
育児休業等② R4.10.11~R4.10.31
(答) 〇施行日(令和4年 10 月1日)以後に開始した育児休業等について適用する。 〇ご指摘のケースについては、育児休業等①は改正法施行前に開始した育児休業等であり、改正前の規定が適用される。 〇このため、育児休業等①・②が連続していても、1つの育児休業等としてみなされず、R4.9の賞与は改正前の規定により免除となるが、R4.10 の賞与は免除とならない。 |
詳しくは、こちらをご覧ください。
<全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律による健康保険法等の改正内容の一部に関するQ&Aの送付について(令和4年3月31日事務連絡)>
半年程度先の施行にはなりますが、社会保険料の免除は従業員の関心も高いところですので、早めに確認しておきましょう。
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両立支援等助成金は、育児や介護と仕事の両立支援等を積極的に支援しようという「事業主」に対して、助成金を支給するものです。
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