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【京都の社労士コラム】10月の法改正!企業が対応すべき労務管理と助成金

2022年09月15日

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A(エース)社会保険労務士法人の足立徳仁です。

 このコラムでは、人事・労務に関する様々なQ&Aや法改正情報、助成金・補助金などの新着ニュースをお届けしてまいります。

 本日は、10月から適用される『企業が対応すべき労働関係の法改正』についてのご案内です。

 令和4年10月から労働関係の法改正が数多く適用されます。企業は法改正内容を理解し、従業員への説明や各種手続きが必要になってきます。法改正情報を簡単に取りまとめましたので参考にしていただき、適正な対応が出来るように備えておきましょう。

【今回の法改正情報】
・雇用保険料率の改正
・育児・介護休業法の改正
・出生時育児休業給付金の新設

・育児休業期間中の社会保険料免除要件の変更
・社会保険の適用拡大
・最低賃金の引き上げ


雇用保険料率の改正

 令和4年度の雇用保険料率は4月と10月の2段階の改定となっています。4月は事業主負担分のみの改定でしたが、10月からは事業主及び労働者も保険料率が変更になります。
 会社としては給与計算時に労働者負担分の控除漏れが発生する可能性がありますので、給与計算ソフトなどの保険料率の設定について見直しが必要となります。

【令和4年度の雇用保険料率】

(出典)令和4年度雇用保険料率のご案内(厚労省)

育児・介護休業法の改正

 【産後パパ育休(出生時育児休業)の創設】
 産後パパ育休とは産後休業をしていない労働者が、原則出生後8週間以内の子を養育するためにする休業です。男性の育児休業が増えてきている中、育児休業よりも柔軟で休業をしやすい制度として創設されました。
≪制度内容と注意点≫
子の出生後8週間以内に4週間(28日)まで、分割して2回まで取得可能
・分割取得するときは、初めにまとめて申出が必要
※休業期間中も一定の就労が可能ですので取得しやすい制度となります。

 【育児休業の分割取得】
 令和4年10月1日から、原則として、子が1歳までは、育児休業を分割して2回の取得が可能になります。上記の産後パパ育休についても2回の取得が可能となるので、1歳までの間に合計4回までの育児休業が取得可能になります。
 また、1歳以降の育児休業については、従前と比べて育児休業の開始日が1歳6か月及び2歳の間と柔軟化されたことにより、1歳以降の育児休業期間の途中に、夫婦で交替して休業することが可能となります。


(出典)厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」

出生時育児休業給付金の新設

 上記、産後パパ育休(出生時育児休業)の創設に伴い、当該休業期間について、雇用保険から出生時育児休業給付金が新設されました。子の出生日から8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて、産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した際に「休業開始時賃金日額の67%」が支給されます。

【出生時育児休業給付金の支給要件】
① 子の出生日から8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間
 (28日)以内の期間を定めて、当該子を養育するための産後パパ育休
 (出生時育児休業)を取得すること
② 休業開始日前2年間に12か月以上の雇用保険被保険者期間があること
  ※育児休業給付金と同条件
③ 休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は就業した
  時間数が80時間)以下であること
※その他、要件等ありますので詳細は各ハローワークにお問い合わせください。

育児休業給付金パンフレット(R4.10.1改正)

育児休業期間中の社会保険料免除要件の変更

 令和4年10月から短期間の育児休業等を取得した場合でも社会保険料免除が適用されます。これまでの育児休業期間中の保険料免除は、月末が育児休業である場合に保険料免除とされていました。しかし、同月内の短期間休業の場合に保険料免除に該当しないなど、育休取得タイミングにより差が出ていました。今回の改正によりこれまでの月末が育児休業期間である場合に加え、同月中に14日以上の育児休業等を取得した場合にも、保険料が免除されるように改正されました。
 賞与保険料は、これまで賞与支払月の月末が育児休業である場合に保険料免除されていましたが、令和4年10月からは1か月を超える育児休業等を取得した場合に免除されます。


(出典)リーフレット「令和4年10月から育児休業等期間中における社会保険料の免除要件が改正」

社会保険の適用拡大

 令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用範囲が拡大されます。次に該当する事業所(特定適用事業所)は、短時間労働者についても社会保険の適用が必要となります。
 該当する事業所は「特定適用事業所該当届」や新たに被保険者資格を取得する短時間労働者の「被保険者資格取得届」の提出が必要となります。

 【特定適用事業所とは】
・事業主が同一(※)である一または二以上の適用事業所で、被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時100人を超える事業所

(※)「事業主が同一」である適用事業所とは
法人事業所(株式会社、社団・財団法人、独立行政法人等)で、法人番号が同一の適用事業所
個人事業所(人格なき社団等を含む)で、現在の適用事業所
 【短時間労働者が被保険者となる一定の要件とは】
1週の所定労働時間が20時間以上であること
雇用期間が2カ月を超えて見込まれること
・賃金の月額が88,000円以上であること
・学生でないこと
≪改正内容≫

(出典)令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大

最低賃金の引き上げ
 
 令和4年10月から地域別最低賃金の引き上げが実施されます。最低賃金は都道府県ごとに決められ、適用時期もそれぞれ違うため改定時期に注意しましょう。下記ボタンから地域別最低賃金をご確認ください。
 今年は過去最高額の全国平均31円アップとなっています。該当する従業員の賃金見直しについて、早めに準備をしていきましょう。

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧

また、従業員の賃金アップに対応した助成金もありますのでご活用下さい。
【キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)】
 有期契約労働者等について、基本給の賃金規定等を2%以上増額改定し、昇給させた場合に助成
キャリアアップ助成金リーフレット

【業務改善助成金】
 事業場内最低賃金を30円以上引上げ、業務効率化等を目的とした設備投資をすることで、設備投資にかかった費用の一部を助成
業務改善助成金(通常コース)リーフレット

まとめ

 企業ごとに対応が求められる部分は異なりますが、育児介護休業法の改正は就業規則の見直しや、対象者への個別の周知・意向確認も必要です。
 雇用保険料率や最低賃金の改定、社会保険の適用拡大など、直接企業や従業員に影響が出る改正がたくさん行われます。企業は早めの準備を行い、従業員に正確な情報を伝え、期限遵守で法改正に対応する必要があります。

 A社会保険労務士法人では、法改正に対応した就業規則の作成・改定、育児休業取得の際の「両立支援等助成金」や賃金アップで活用できる各種助成金の申請支援などを行っています。
 他にも勤怠・労務管理のDX化や社会保険・労働保険手続き、給与計算など様々なサービスを提供していますのでお気軽にご相談ください。

 
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